カサンドラな日々

「なぜか周りと噛み合わない」ズレを楽しむ人のブログ

おとうさんへ「早く家に帰ってください」

タイトルが意味深ですが

深刻な家庭の話ではないです。

これはおとうさんから感じた「親切」のズレの話。

 

これは第一子を出産をした時のお話。

パワフルに産んでしまった私は会陰裂傷がひどく

お股が、お尻の穴の直前まで裂けてしまった。

(こういう話が苦手な人がいたらすみません)

 

入院中はずっと横になっていて過ごしていたのだけど

座るのが本当に辛い。

ドーナツ型のクッションも用意していなかったので

もう、悲鳴をあげながら、前かがみになって

やっと車の座席に座った感じだ。

 

そして出産後の身体というのは

自分でも何がどうなってるんだかわからないくらい、ボロボロ。

腰もガタガタで、まっすぐ座ってられない。

それでも私は越えなくてはならなかった。

「車で1時間」「退院」という難関を。

 

車の窓ぎわについている、あれはなんだ?手すりか?

とにかくソレを私は初めて利用した。

時に「ぎゃあ」と言いながら座っていた。

そしてガタガタの身体を支えるために

下半身に神経を集中させた。

 

隣には、生まれたばかりの赤ちゃん。

初めての大移動。

首は大丈夫だろうか。

オムツは大丈夫だろうか。

お腹をすかせて泣くかもしれない。

心配は尽きない。

 

あゝ早く家に帰りたいよお。

 

運転席では、おとうさんがずっと喋っているが

道路の話や、過去何度も聞いた話(道路の話を含む)など

なんとも感想の思い浮かばない話だったので

なんとなく聞いていた。

でも時々クイズ形式で私(だけ)に、回答を投げかけてくるので

ある程度、集中していなくてはならぬ。

 

そっとしておいてほしい。

とにかく私は、赤ちゃんと私のことで頭はいっぱいなのだお。

 

ふと窓の外に目をやると

見慣れない景色

 

え?ここはどこ?

 

「おとうさん?ここどこですか?家に向かってますか?」

 

「ああ!今日は一度も右折しないで家に行く方法を調べてきたからね!」

 

私は、おかあさんと、夫の顔を交互に見る。

 

フツーの顔して座っている。

 

だめだ、ここには私を助けてくれる人はいないのだ。

 

え、それ、迷惑なんですけど、私はお礼を言わないといけないですか?

右折しないで帰れるんですか?すごいですね。

調べてくれてありがとうございます・・・

って言わないといけないですか?

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長い長い、帰路に揺られながら私は怒りをぶつける場所を探していた。

 

それが、ないのだ。

 

そうだ、ずっとなかったのだ。私には怒りをぶつける場所が。

 

怒りというのは表現するのは自由だけど、誰かにぶつけてもいいものではない。

 

しかし、退院を手伝ってくれている人(お礼を言うべき人)

に対してこんな怒りがあるのはなぜだろう。

 

おとうさんは、(わからないけど)もしかしたら、右折をしたら

産まれたばかりの赤ちゃんがびっくりしてしまうというイメージの世界で

生きているのかもしれない。

 

もしそういうイメージで生きている人なら

この「右折しないで赤ん坊を送り届ける」は重大ミッションだ。

 

だが、なんだろう。

 

道に詳しいことを自慢しようとしているような独特な熱量を感じる。

どうやら、そこに、私は怒りがあるぞ。

 

お礼を言い感謝するべき相手だし

本人も「俺は感謝されて当然なことをしている」という

「自信」のようなものをまとっている。

 

でももうそんなことどうでもよかったんだ。

話を複雑にしたくない。

 

とにかく私は早く家に帰りたかったんだ。