カサンドラな日々

「なぜか周りと噛み合わない」ズレを楽しむ人のブログ

母と娘の関係「夫のちんぽが入らない問題」

こだまさんの「夫のちんぽが入らない」という小説を読んだ。

少しネタバレが入ってしまうので、ご承知おきください。
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私は書店で買う勇気がなかったので、Amazonで買いました。
表紙のデザインは著名人のコメント。

まっすぐ歩けないから 回り道。
でも回り道が一番の近道だったと気づく時がくる。
それがくるまで歩き続ける。
その歩幅を広げてくれる一冊。

麒麟・川島明(芸人)

 え、なに、川島さん素敵なんですけど!
あの声でこの発言は罪でしょう、嘘であってほしい。(なんでや)

 

 

母と娘の関係性について考える

タイトルからして、ふざけた小説だと思っていたけど
作者から独特な「生きにくさ」を感じたので
ここで思ったことを書かせてもらいたい。

 

夫のちんぽだけが入らない、作者、こだまさん。
みんながなんとなく大人になる頃には習得していく
生きていくための知識やスキルを持ちあわせていないところとか
(だから傍目には、かなり不器用な人に見える。けど本当はどうなんだろう。)
母親との幼い頃からの描写とか

 

もう、アレじゃん、って思った。
いつものアレです。

 

私はアダルトチルドレン関係のアンテナが常に立っているので
母と子(娘)の関係にめちゃ敏感だ。

夫だけを受けいることができない
謎のストッパーに
母との幼少期からの関係だけを結びつけるのは、
こだまさんの母親に対してあまりにも酷だと思うよ。

でも私はやっぱり母との関係性の中での自己の歪みがあったように思った。
それを無視しては考えられない。
今から書くこともそれに偏りがちだということを先に断っておきます。

 

母が娘を連れて謝罪に行くシーン

こういう描写があった。

「向こうのご両親に一度謝りに行かないとね」
母が前々からその話を切り出そうとしていたことに、私は気づいていた。
だからなるべく二人きりにならないように、話を持ち出す隙を与えないよう、神経を働かせていたのだ。
でも、その日はなぜか、もういいやと思った。
指名手配犯が無防備に商店街を歩くような諦めと清々しさで、
母に言われるまま、観念して腰を下ろした。

(中略)

「うちの子の身体が弱いために、お宅の後継を産んであげることができず、本当に申し訳ありません。うちの子は、とんだ欠陥商品でして。
貧乏くじを引かせてしまい、なんとお詫びしてよいか」

Aマートの話で主導権を握った母が、その流れで唐突に謝罪を始めた。
一体いつの時代を生きているのかわからなくなった。産まないことは罪だった。少なくとも私の母の中では。頭を下げる母。困惑する義父と義母。
「まだまだ若いんだから、これからでもできるさ。気にしない、気にしない」
それもどうかと思うけど、義父の冗談めかした一言で、この話題はおしまいになった。

 

 

これを読んだ感想で、世の中は大きく3パターンの人間に
分かれるんじゃないかと思う。

 

①え・・こんなこと言うお母さんいるの?と驚く人。

②あ・・(似てる)・・・と思う人。

③このお母さんも大変だったね・・・と言う人 &その他

 

すみません、3パターンって言ったけど
これ10パターン以上かもしれないなと思いながら
「&その他」という逃げの姿勢で無理やり3パターンにしました。


自分は②の人です。 

ただの感想ですが、①の人は、個人的にとてもうらやましい。
自分の息子にも①の人間になってほしい。
(おばあちゃんの姿を見てるから無理か?)

 

③になんて書こうか迷った時に、思い浮かべたのは実母(まりこ)でした。
まりこさんだったらなんて言うかなって。

というかこだまさんの母はうちのまりこか?という感じなのですが。
色んなセリフが細かに思い浮かんだんですが、場面によるかな。

 とりあえず思うのは、まりこさんは誰かしらに同情はするだろうけど
小説を読み、母親のシーンに触れても
娘を傷つけているこの母親と自分の姿を重ねることはないと思う。

なぜこの人はいつも自分を省みないのだろうって不思議だったけど
それはまりこさんの特性なのかもと最近は思ってる。

悪気のない人を恨んでも仕方ない。

 

ただ、私は、この文面から娘(こだまさん)の悲鳴が聞こえるのだけど
(母親の悲鳴も聞こえる)

その叫びが全く耳に入らない人がいるのかもしれないと思うと
普通にちょと悲しい。

というのも、結構この作者は色々なところで怒られている。
怒りたくなるのも、もどかしく感じるのもその通りだけど

その感情を元に考えたいことって結構ある。

 

その人の悲鳴を聞かず、批判する人はきっとたくさんいる。
でも耳をふさぐ人にも、
ただ批判するだけの人にも、
それぞれの叫びがあるのかもしれないと思ってる。

報われなかった過去の痛みとか、無茶な頑張りとか、
言語化不可能な怒りに蓋をして
見ないようにしていることがあるのかもしれない。

 

作者の母親像について

この母親像について思ったことを書きたい。
当たり前だけど全部、憶測です。

 

・自分と娘を切り離して考えていない

・だから娘を傷つけているなんて思いもしない

・もしくは娘は傷ついても仕方ないと思っている

・だって私(母)がこんなに傷ついているんだよ?という胸中

・娘の人生を勝手に背負う、それもひとりで

・娘の失敗は自分の失敗(だと思われるからコントロールしたい)

・コントロールしたいけど、コントロールしきれない存在の
 不器用な部分が目につく、許せない

・一緒に謝りに来た私を見てください

・私は悪くないんです!!

・この娘が悪いんです!!!という叫び

 

一言でまとめると、母親の謝罪行脚は
「こんな娘のために今までも頑張ってきました。この娘の母親として精一杯
頑張ってきた私を認めてください・・・」
という悲鳴に感じた。

 

本人は必死だろうけど、実娘や相手方の両親からしたら・・・ひくよね。
でも本人はね、命がかかってるくらい必死なんだろうな。

「自分はこれを悪いことだと思ってるんです・・・でもねうちの娘が・・・」って。

欠陥品だなんて、すごいひどい言葉を吐いてることにも気づかないくらい
この母親は、自分を守るのに必死なんだろうな。

 

「謝罪しているこの私も被害者」

ここからは私の母親、まりこの話になります。
彼女もこういう悲鳴をよくあげるのです。


私は配慮のない言葉に傷ついたうえに、
止めようのない悲鳴を聞く羽目になるから
本当に迷惑だと思っていた。

私が傷つくなんて思っていないのか、私の感情なんて御構い無しに。
そして自分が傷ついたということを、もう言いたい放題だ。

 

この小説のような時代錯誤の謝罪も、目の前で見せつけられてきた。
そのたびに「謝罪している私(母)も被害者なのよ」という姿を見せつけられた。

 

「見せつけたれた」と、含みのある表現をどうしてもしてしまうのは、

母の言葉のチョイスや表情、態度から
自分がこのような謝罪をして健気だ、とか
可哀想だとか、思っているように感じたからだ。

 

これは私のフィルターを通しているのできっと真実ではない。
でも今のところ、そう受け取るしかない。

自分なりに腑に落ちるカタチで母親との関係を見て行くしかない。
近くで見聞きするとダメージを受けすぎちゃうから
最近は俯瞰するようにしているんだけど、
そうすると聞こえてくる声がある。

まりこさんが感情的になっている時って、よくこういうこと言ってる。

 

・私は正しいの。

・あなたの選択が間違っているの。

・失敗したらあなたの責任であって私の責任ではないの。

・とはいえ失敗したら結局私の責任になるのだから考えを改めなさい。

・私は反対したわよ、失敗しても知らないわよ。

・まだそんなこと言ってるの?いい加減、改めなさいよ、失敗するわよ。

・お願い、諦めて、あなた失敗するから。

・失敗なんかして親の顔に泥を塗るな!!!

 

ものすごーい、恐れが聞こえてくるんですよね。
こんな感じなので、私が失敗したり傷ついたりしている時は
慰めてもらえなかったどころか、一方的に責められました。

こんな状況で母親からも攻撃受けるって最悪なので
いつからか、母親には本当のことは話さなくなりましたね。

 

まあ、全部憶測なんですけど。
一応忠実に言語化して見ました。 

 

・母親は父親に頼れず一人で頑張ってきた。

・頑張っても認めてもらえなかった。

・認めてもらえないけど、失敗をすると責められた。

・できて当たり前というプレッシャーがあった。

・失敗するのがこわかった。

・子育てが怖かった。

・自分の思い通りにならないことで自分の評価が落ちるのが嫌だった。

 こういう感情があったのではないかな?って思えてきます。
だとしたら、まりこさん、辛かったんだろうなって。

 

もうウォールマリアは必要ない


でも知ってますか?って母親に言いたい。

お母さんの人生はお母さんの人生。
私の人生は私の人生。
私はもう自分で責任を持って生きてますよ。

もうとっくに、お母さんの管理下ではないです。
だから重荷を下ろしてくださいね。
それが私にとっての幸せです。って。

 

色々あったけど 私の幸せ、願いは、これにつきます。
自分も、人と自分の人生を区別して、楽しく生きて生きたいなと
思う次第でございます。

 

この場を借りて、自分の気持ちを改めて成仏させてもらいました。

 

こだまさんもこの本を出したことで、
こだまさんのウォールマリアは壊されたな・・という印象を受けました。
今後も応援したい作家さんです。

 

今現在、お母さんとの関係でモヤモヤしている人にも、
いつかカラッと笑える日がくるといいですね。